2022年5月18日に日本でレビュー済み
長年の作家生活お疲れさまでしたと言いたくなる。加賀乙彦推奨特別文学賞も受賞しているが、第一回が三田の盟友岳真也では人脈が見え見えだ。埴谷雄高もそうだが、なんでこうドストエフスキーにこだわりながらキリスト教そのものは素通りできるのだろう、と不思議な気がする。あと「罪と罰」のあらすじで、スヴィドリガイロフが未亡人を一人か二人殺したと書いてあるが、そうか? 二葉亭の「浮雲」がツルゲーネフの「ルージン」を下敷きにしているってのは小栗風葉の「青春」の間違いで、二葉亭のはゴンチャロフの「断崖」か「平凡物語」だろう。「ライ麦畑の捕手」というのは誤訳(村上春樹に聞いてみてください)。埴谷雄高の「死霊」が第九章で完結したと書いてあるけど完結してない。しかし高校へ入ってすぐ一目ぼれした女性と結婚するとか、何だろうねこの人は