ナイジェル・クロス「大英帝国の三文作家たち」(松村昌家・内田訳)アマゾンレビュー

2020年8月27日に日本でレビュー済み

 
原題はThe Common Writer:Life in 19th Century Grub Street、Nigel Cross(1953- )1985 である。
19世紀の英国における、成功しなかった作家たちを、王立の作家支援基金の話を中心に描いたもので、活字が小さめだし次から次へと知らない作家の名前が出てくるが、ある程度英文学に通じた人が読めばかなり面白い読み物になっている。特に女性作家の悲惨なありさま。英文学専攻の人は必読であろう。なお訳書刊行当時、「朝日新聞」で森毅が書評している。訳者松村先生は昨年死去、内田という人は2002年に死んでいた。