先ごろ、さる若い学者が50そこそこで死去したことを知った。この人は、某私大の助教授だったのだが、某国立大へ講師で呼ばれたのだった。意外な人事だったが、それは国立大の某が、子分にするつもりでゴリ押し人事をしたらしく、あとになって別の教授が反対し始め、会議では反対できない雰囲気だった、と言った。某は恫喝が得意だった。
ところが、就任してから某の性格を知った若い人は、子分にはならなかった。それから一年ほどで、この人の助教授への昇任人事があったのだが、会議で某がその人の論文の細かな失点をあげつらって昇任をなしにしてしまったと聞く。助教授になったのはそれから三年くらいたってからのことだった。