『文芸日女道』の532、533号が届いた。今度は本名で注文したが、26日に振り込んで今日である。途中で催促の電話をし、昨日は内容証明を出してしまった。
 それはさておき、533号の森本穫の連載の最終回はすごい。『事故のてんまつ』のヒロイン「鹿沢縫子」について、父と母の本籍から生まれから何から何まで調べ尽くしてある。もっとも肝心の本人には取材拒否されたようだ。
 もっともここに大笑いなのは、532号の「巻頭言」を森本は書いていて、私の『現代文学論争』に触れ、私が当時週刊誌などに出た、関係者の名前を書いていると言い、被差別部落も関係しているのだからどれほど迷惑がかかるか、と書いていることで、もはや二重基準ですらない、お笑いとしか言いようがない。もっともよく見ると、イニシャルになっている人がいる。そのイニシャルになる基準が、「被差別」かどうかということなのだが、77年当時の報道では、「縫子」の、実父母がそうなのか養父母がそうなのか、報道はされていなかった。ところが、森本がイニシャルにした人がそうなのだ、ということが分かる仕組みになっていて、これでは頭隠して尻隠さずである。
 単行本は勉誠出版から出るそうだが、早く知りたい方は郵便振込すると送ってくれるはずである。
 ところで勉誠出版は、近ごろ右翼っぽい本をけっこう出していることに気づいた。
 あ、そうだ。『文芸日女道』は巻末に、読者からのお便り、を掲載しているのだが、昨日、その一人に電話して、それが、私信を無断で掲載したものが少なくないことに気づいた。編集長は、著作権を理解していないのじゃないか。