書店へ行ったら『深沢七郎外伝』という本が出ていた。外伝? 正伝はどこにあるの?って感じ。(相馬庸郎のが正伝なのか)
 こないださる魔女さんに神林長平を勧められたので『言壺』を読んでみたのは、SF大賞受賞作だからだが、未来のワープロみたいな機械が「私は姉から生まれた」と書くと、間違っていると指摘し、どうしても入力できない、という出だしからつまずく。そんな厄介な機械、作ったとしても使われないでしょう。
 アマゾンレビューを見たら、やはりそういうことを書いている人がいて、ファンらしい人がコメントして、「あなたは『魔法の存在が納得できない』と言って魔法ものを否定するのですか」(大意)と書いていたからついお節介で「レベルが違う」と書いたのだが、これはいずれネタに使えるなと思ったものである。魔法世界を描いて、恋人同士が実は兄と妹だと分かって大喜びしたらそれは変でしょう、と展開しようとしたら、レッシングの『賢者ナータン』がまさに喜んでいるので、実に困った。