呉智英さんの『マンガ狂につける薬 二天一流篇』に、渡辺京二の『逝きし世の面影』を扱ったところがあって、「小谷野敦によるとアカデミズムでは評価されていない」(大意)とあるのだが、それは違う。まともなアカデミズムでは黙殺されており、平川祐弘あたりが褒めていて、私が徹底批判している、というのが事実である。
確かこれは連載中にちらりと見て、見なかったことにしたような記憶がある。しかし呉さんは渡辺著をいい本だと思っているらしいが、渡辺なんぞより呉さんのほうが偉いということが分からないということが困る。
あともう一つ問題があって、宮台真司が東大名誉教授令嬢と結婚したのを批判しているのだが、それが「ポストモダン」と言いつつモダンではないかと言っている。しかし宮台はポストモダンとは言っていない。