森田草平伝

新藤兼人脚本の映画「村八分」はDVDになっているのだが、北星というところに直接申し込むと入手できるらしい。

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比較文学会とか東大比較文学とかが衰退するとしてもそれは私の立場から言えば仕方のないことである。しかしそれらの構成員で自分のウェブサイトを持っているのって私とヨコタ村上くらいしか思いつかないってもうそのこと自体がダメな証拠ではないかと思う。

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内田百輭「実説艸平記」が、ちくま文庫『間抜けの実在に関する文献』に入っていたので読んだ。1950年9月『小説新潮』に発表、51年新潮社から単行本であるが実に面白い。既に没した森田草平の奇行の数々が描かれている。草平は漱石門下の古株で百輭は和辻哲郎と同年の後輩弟子である。のち草平はやはり漱石門下の野上豊一郎のひきで法政大学に勤めて百輭も招かれたが、のち野上派と森田派の抗争が起きていったん野上派をクビにして百輭もクビになるが、結局戻ってきて草平が辞めてしまう。百輭は戻らなかった。
 百輭が「大人のおもちゃ」の広告を見て草平と一緒に買いに行ったり、何ともいい。小宮豊隆の解説もあって、森田には善良と不善とがあるが、「森田ほど道理の通らない人間はなかった」とあるのもまたいい。
 私は前から佐々木英昭さんに、漱石作品の変な分析などしないで森田草平伝を書くように言っているのだが書かない。仕方がないからいずれ私がまた書くんだろうが誰か書いてくれないか。

http://www.youtube.com/watch?v=_y3Uej6tRL4
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