『俗物論』というのはいつか書こうと思っている。
さて、私は、賞を欲しがり、ゴシップの好きな俗物である。しかし、世の中には別種の俗物もいる。英文科の三年生だった時、神保町で、蟻二郎の、平井正穂を告発する『新批評』を見つけて購入した私は、それから塾講師のアルバイトに行き、そこにいた、その塾を紹介してくれた男にその雑誌を見せた。ざっと目を通したそいつは、不快そうに、「蟻二郎ってペンネームか。人を批判するなら実名でやってほしいな」と言ったが、そいつの様子は明らかに、筆名のことなどではなくて、師匠を批判するような文章は見たくないというものだった。
この男は、本当は法学部か経済学部へ行きたかったが自信がなかったから文三へ来たという男で(しかし文二は決して文三より難しいわけではないのだが、そういう勘違いは多かった)、「全共闘って左翼なの?」と言って嘲笑されたり、学生運動で署名集めなどしている者を見ては「そんなことしてると就職できないよー」と呟く、そういう男だった。東大を出て安穏なサラリーマン生活を送れればよし、という男だった。これがその、第二の俗物である。
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さて、「青の世代」「遅れてきた青年」のあとは何か? それは、「美人の世代」である。もはや美男美女でなければ作家として売り出せない、そういう時代の作家たちである。
1958 川上弘美、松浦理英子、(姫野カオルコ、坂東眞砂子)
1959 山田詠美、佐伯一麦、(大原まり子、水原紫苑)
1961 島田雅彦
1962 小川洋子、佐藤亜紀
1963 (有吉玉青、京極夏彦、松本侑子)
1964 (江國香織、村山由佳)
1967 角田光代
1968 吉田修一、柳美里、(鷺沢萌)
1976 川上未映子
1977 中村文則
1984 綿矢りさ
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悪評ふんぷんたる「似顔絵」についてちょっと説明する。世間に似顔絵描きというのはたくさんいるが、多くは髪型、メガネ、ひげなどの補助で似せている。しかるにあれは時代ものの扮装だから、髪型が月代、メガネなし、ひげなしだと結構大変なのである。『小説吉田学校』の森繁演じる吉田茂を、森繁だと分かるように描くのははなはだ困難である。
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http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&id=1097040
相撲協会理事選。こういう限定された選挙で「票読み」などと言っているのは、八百長やってます、と言うようなものだということが分かっていない。しかし、そういう協会の体質を変えるために外部理事を入れたのに、その外部理事の声が聞こえてこないのはどういうわけだ。