twitterをやめたのである

 栗原さんに勧められて始めたのだが、どうもその…愚痴の言い合いみたいになってしまい、うざくなってやめた。栗原さんはなんだか忙しそうで経済の話とかしているし。私は経済というのはどうしてもちゃんと勉強する気にならない。
 伊藤整瀬沼茂樹の『日本文壇史』は、大正五年の漱石の死で終わっているから、『明治文壇史』とするのが正しいだろう。それに栗原さん、マケプレで高値がついていても、日本の古本屋へ行けばちゃんと低廉価格だって前に自分で言っていたのに…。(これはツイッターへのコメント)
 大澤真幸、京大辞めたんだなあ。9月1日付って異常だよねえ。空白ができたらまずいのではないか。
 実は真幸とはいっぺん顔を合わせたことがあって、サントリー学芸賞の受賞式で、編集者か何かと一緒にやってきて、あの顔でにやにやしながら「妻がお世話に…」か何か言って、それは数年前に吉澤夏子と論争したからなのだが、実はその時私の背後には、思いもかけず乱入した元妻がいて、私はそれどころじゃなくて青い顔をしてその場を離れてしまったので、何も真幸と話したくなかったわけじゃないのだ。
 でも真幸くん、これで君も私らと同じ「大学辞職組」だね! と言いたい気分もあり。今度はぜひ「大学に勤務することの不可能性について」というのを書いてほしいです。えっ真幸くんは大物だから辞職してもすぐ首都圏に立派な教授の口があるとか?
 立川健二とか、どうしちゃったのかなあ。六車由実さんも大学を辞めて特養で介護職員をしているけど、『新潮』に書くなんて、大物ぶりを発揮しているから大丈夫みたい。

                                                                                    • -

 昔のメールを整理していた。私がウィンドウズにしたのは99年で、それ以前のマックでのものはもう別途整理、だからそれから2005年くらいまでのものだが、ああこんな人もいたなあと、名前がはっきりすると、もちろん今どうしているか検索する。
 大学の先生だった人は今でもたいていその大学にいる。しかし、院生だった人は、消息不明になった人が多く、大学の教師になっていたのは一人だけだった。おかしかったのは「霧島夏樹」という人とやりとりしていたことで、検索してみて、ああそういう人だったのか、と。
 それにつれて、UBC時代、アジア学科にいた人たちのことも思い出した。ロバート・カーンなどはどうしているやら。徳本浩子さんというのもいたが、一時期名古屋外大にいたらしい。もっとも彼らのことは、特に忘れてはいなかった。ロバート・エスキルドセンという院生がいた。名前から分かる通り北欧系で、大きな体でまるっきりの白人だが、子供の頃日本で育ったから、快楽亭ブラックのように日本語で話した。
 実はアジア学科はまとまりが悪く、ロバートは懸命にそれをまとめようとしていたのだが、私が講演を頼まれて出向いたら誰も集まらず、ロバートは憤懣をこめて「apathy」のために講演は行われなかった、と黒板に書いた。もっともロバートは「今度、院生の委員のエレクションがあるんです。…勃起じゃないですよ」などと言う人でもあった。当時の私はいろんな意味で緊張していたから、こういうジョークは嫌だった。(だからますます快楽亭ブラックなのだが…)
 その彼の名は特徴的だから、検索したらすぐ見つかった。スミス・カレッジに勤めているようだが、思いがけず、マリコという奥さんが、2004年ころに胃がんで亡くなったということを知った。最近は台湾の文学を研究しているらしい。
 あと、田中桜子さんという人もいて、シェリー田中ともいっていたが、この人も童話かファンタジーを出版していたことが分かった。アイヌの血が入っている人らしい。

                                                                                        • -

私が予備校生だった六月、昼の連続ドラマで、川端康成の『山の音』を原作とした『愛の陽炎』というのが始まり、予備校は午前で終わるから、帰宅して観ていた。まあ現代に移し替えていたし原作とはだいぶ違っていたが、何といってもそのエンディングの主題歌である。

タバコの煙の糸が 心の乱れ教える
いいのよ 涙は 若さの軽はずみな罪ね
マドラスチェックのシャツを 
素肌にまとえば夜明け
扉へともたれ 口紅をひいた
優しく傷つけて

 というのだが、何とまあ中身のない、それらしい語句を並べた歌詞であろうか。これだと情事もののドラマのようで、内容とも関係がない。
 ドラマの主題歌で内容と関係がないもの、というのは昔からあるのかどうか。私の記憶では、少年ドラマ「未来からの挑戦」なんか、まさにそれだったが…。