http://uicp.blog123.fc2.com/blog-date-200811.html
 宇波彰先生のブログがあるとは知らなんだ。
私は宇波先生とは一度だけ会ったことがあって、その後も著書を送ったことがあるはず。ただ、ここで出てくる「平川祐弘の弟子」はたぶん私ではないと思うのだが、確信はない。
 さて、鹿島茂天皇制支持者であることを明言したというについては、私ももやもやするものがあって、しかしまあ昔から鹿島さんにはそういうところがあった。フランス文学者は左翼、英文学者は保守派、というのが昔の通念だったのだが、このところ仏文でも、福田和也篠沢秀夫などがいるし、むしろ米文学者のほうが左翼化している(もっともこれは、処世術の嫌いあり)。
 もっとも鹿島茂に限らず、「天皇制支持」「右翼的」なことを言っていてもなぜか「左翼」から受け入れられる人というのが最近は増えていて、佐藤優なんかその最たるものなのだが、宇波先生は『情況』に書いていて、なぜ佐藤がいるのだ、とは書かないわけだ。

                                                                        • -

大河ドラマにはうんざりしてきた。道満丸が殺されるのは、前管領上杉憲政と一緒なのに、史実も原作も捻じ曲げている。遂に前管領は出てこないまま終ってしまった。こんなの嫌だ。

                                                                        • -

昭和女子大学教授の吉田昌志氏より、『学苑』に載せた泉鏡花年譜補訂の抜刷を送っていただいた。795号(2007年1月)、797号(3月)、819号(2009年1月)、821号(3月)の四点で、まだ続くらしい。鏡花も依然としてちゃんとした伝記のない作家である。私が次に誰の伝記を書くかは、模索中。

                                                                        • -

田山花袋研究の権威・小林一郎氏が亡くなった。92歳。長生きしたなあ。世間でアマチュア評論家が、「蒲団」がどうのこうのと言っているのは、小林氏の業績を知らずに言っているのだ。