「ダイゴロウ対ゴリアス」の思い出

「ダイゴロウ対ゴリアス」は、東宝の怪獣映画である。1972年暮れ、「東宝チャンピオンまつり」として、「ゴジラ電撃大作戦」「パンダコパンダ」と併映され、私は母と弟と三人で有楽町あたりまで観に行ったと思う(場所については不確か)。私はもちろん怪獣映画好きだったが、小学二年生まで茨城県に住んでいて、一年遅れくらいでやってくる東宝ゴジラ映画を觀ていたから、東京で封切時に観るようになったのは「ゴジラガイガン」からである。「ゴジラ電撃大作戦」は、知る人ぞ知る、七年前の「怪獣総進撃」を改題したもので、ゴジラ映画史上の汚点である。その代わりに作ったのが「怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス」だが、東宝怪獣映画としては、ゴジラ・シリーズと独立して、しかも、モスララドン、バランのように、後にゴジラ映画に出演することになる怪獣が出るわけでもない、独立怪獣映画で、こういうのはほかに「南海の大怪獣」がある。ただしこれに出演したカメーバは、「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ」に死骸として出演しており、吉岡美穂に「もっとましな名前をつければいいのに」と言わせている。「パンダコパンダ」の監督がのちに「天皇」と呼ばれるようになるとは、知るよしもない。
さて、「ダイゴロウ対ゴリアス」は、人間に育てられた不細工な怪獣ダイゴロウが、悪役怪獣ゴリアスを倒すという筋で、三波伸介犬塚弘がダイゴロウの育ての親という、人情ユーモア怪獣映画である。しかし、まだ「およげ! たいやきくん」で名前を広く知られる前の子門真人が歌っていた主題歌が良くて、私はドーナツ盤のレコードを買いに行き、見つからず、店員に恥ずかしさをこらえながら「ダイゴロウ対ゴリアス」ありますか、と訊いて、店員から「あっ、マンガ? マンガなら、あの辺」と既に探した場所を示されて屈辱を味わったことは前に書いた。
ところでこの映画の冒頭は、ダイゴロウの母である怪獣が暴れて倒され、赤ん坊のダイゴロウが発見されるというもので、母怪獣はいかにもメスらしいデザインをしていた。対してゴリアスは、鼻先の角をぴかぴかっと光らせるのが武器で、ダイゴロウが一敗地にまみれた後、三波と犬塚は、この角の光を押さえるべく、不細工な布製のサックのようなものを作って二人でゴリアスの角にかぶせに行くのだ。角光線を封じられたゴリアスをダイゴロウが倒して、めでたしめでたし。
ふと思ったのだが、これって・・・。父殺しの話ではないか。しかも犬塚は「発明おじさん」で、「ぼくのおじさん」というのが副主題歌である。(母方の)おじさんの援助で父殺し・・・。
まあ、こんなことは、数多い「オタク学」かなんかの本のどこかに誰かが書いているのだろう。

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不二家騒ぎだが、なんかねえ。私は中華料理屋でスープにゴキブリが入っていたり、スパゲッティとったら長ーい髪の毛が入っていたり、酢豚食べたら明らかに肉が古かったり、いろいろあるし、コンビニで買ったものの一部が古くなっていたりとかあるんだけど、いちいち保健所へ通報しないしね。生もの以外まで撤去するほどのことかね。単に有名企業だってだけのことであろうよ。インタビューで「いま的には不二家のものは・・・」とか言ってたよ。いま的、って、何でも的つけて、シナ人か。