アニメや特撮で、悪役が出てくると、意味なく「わははははは」などと笑うのだが、これは日本特有の現象だろう。恐らく人形浄瑠璃から来ているのだろうが、最初に笑ったのは黄金バットだったようにも思う。悪役ではないが、悪役的顔はしている。多分時代劇映画で悪役が笑うのから映像的には始まったのだろうが、マンガ学会ではもう定説とかあるんだろうか。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
「文学界」二月号で相馬悠々が、野間文藝賞の選考委員に、受賞していない高橋源一郎と高樹のぶ子が就任したことについてつらつら書いていた。まあ最近、選考委員より受賞者のほうが偉いんじゃないかとか、いきなり階段を駆け上がるような作家が多いが、野間文藝賞に関していえば、三十年前には13人くらい選考委員がいて、驚くなかれ石坂洋次郎や川口松太郎のような大衆作家もいたのである。それで大岡昇平が「レイテ戦記」が候補になったのを、舟橋聖一がごちゃごちゃ言ったので嫌になって辞退している。舟橋は当時既に失明していたから、読むのは雇った人がテープに吹き込んだのを聴いていたので、「レイテ戦記」などとても読めなかったのだろう。
さて三年ほど前、文学賞とその周辺の賞で、各々がいくつ選考委員をやっているか数えたら、井上ひさしがダントツの一位、十以上やっていた。
今回、すばる文学賞の選考委員も入れ代わったので改めて数えたら、やはり一位は井上でダントツの八つ。二位は評論系で養老孟司が五つ。この二人が両横綱だ。三位は四つの人だが、高樹のぶ子、五木寛之、林真理子、津島佑子である。うーん・・・。
三つの人は、黒井千次、渡辺淳一、北方謙三、北村薫、川村二郎、高橋源一郎、角田光代、川上弘美、松浦寿輝、大岡信、川本三郎、関川夏央である。大江健三郎とか古井由吉とかいう人たちが賞の選考などやめてしまったのと、生年でいうと1937年から十年くらい、有力作家がいないことで、何だかへんてこなのである。北村さんを候補にしといて直木賞やらないなんて、そんな失礼がありうるのか・・・。