最近、夜になると退屈なのでようつべで「閲覧注意」を検索して見る。心霊映像については、もちろん心霊など存在しないのだが、まるで天井板の木目が人の顔に見えるみたいなレベルのやつに「お分かりいただけただろうか」などとおどろおどろしい口調のナレーションがつくのが笑える。だが時には、いくら目を凝らしても何も見えない時があり、困る。はっきりと変なものが写っている時もあるが、いったいこういうのが、何も加工をしていないという保証はどこで得られるのであろうかと謎である。
ところで「閲覧注意」の中には、実際の事故現場とか死体とかいうのが写っているのがある。だが、私たちは映画やなんかでもっと鮮明なものを見ているのである。そう言えば、現実のものだと思って見るのは違うだろう、と言う人が多いだろう。ところが私たちは、明らかにフィクションである映画やドラマに「感動」したり、ホラー映画に恐怖するではないか。それがフィクションか現実のものであるかということは、見る者に知識としてあることによって、与えられる情動に特段の違いはないと言っても過言ではないのである。おそらく一般の人々は、懸命に「これは現実なんだ」と言い聞かせて、衝撃を受けたふりをし、衝撃を受けたと思い込んでいるに過ぎないのだ。