後輩の西原大輔だが、私の谷崎伝と里見伝の書評を書いて、谷崎伝は面白かったが里見には関心がわかなかった、と書いた。まあ別にいいのだが、里見の作品は読んだのですか、とメールを出した。すると、今病気の何々で何々、という返事が来た。別に病気でも、人事不省じゃないんだから、そのメールを書いている閑に、いや読んでません、今度読んでみます、くらい書けるだろうに。
さてそれから二年ほどたって、もし里見の作品をまだ読んでいないなら、『今年竹』『多情仏心』など読んでみてください、とメールしたら、それへの返事は、今何々の仕事をしているが大変で何々、小谷野さんの多作ぶりには感心しています何々、と割と長いもので、しかし私が言ったことへの返事はないのである。「里見は読んだことがない」と言えば私が怒るとでも思っているのだろうか。不思議な男である。
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作家も二世が増えてきたなあ。戦前から二代目だったのは広津和郎あたりだが、戦後は吉行淳之介、幸田文とか。
あとは、
斎藤茂吉‐北杜夫
村松梢風‐孫‐友視
田中英光‐光二
太宰治‐津島佑子、太田治子
谷川徹三‐俊太郎
青野季吉‐聰
福永武彦‐池澤夏樹
吉本隆明‐ばなな
井上光晴‐荒野
有吉佐和子‐玉青
白石一郎‐一文
塚本邦雄‐青史
大岡信‐玲
江國滋‐香織
秦恒平‐建日子
唐十郎‐大鶴義丹
宮内勝典‐悠介
中上健次‐紀
三浦佑之‐しをん
金原瑞人‐ひとみ
あと平山瑞穂のように、平山蘆江の曾孫、なんてのもいるが、母は芥川賞候補になったこともあり、父は平山城児とか。
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