連載漫画の読み切りものでないストーリーものの場合、「次回へ続く」となるのを「ひく」というが、これは一応大ゴマにしてクライマックス扱いしなければならない。だが話の流れとしてそういかない場合があって、私が忘れられないのは『キャンディ・キャンディ』で、これは原作つきだからなおさらだが、キャンディが看護婦をしていた時、入院患者のウィリアム・ブラウンさんを「大おじさま」だと思い込んで、私に看護させてください、と申し出る場面が、ひきの場面になっていて、単に涙を浮かべつつ「私に看護させてください」と言ってくるキャンディが大ゴマで光がさしていたのはいかにも無理で、単行本にした時変な感じがしたものだ。あれは単行本化の際に書き直せばよかったのに。