「がんばれ! ロボコン」の悪影響

 「がんばれ! ロボコン」は私が中一の頃放送していた。何か事件があって、ロボコンが活躍して失敗したりするのが主で、最後はロボットたちがガンツ先生というロボットのところへ集まって、今週の成績を渡される。最初の設定では、「ガンツ」ドイツ語で完全という名前は、ロボコンに与えられるものだったようだ。
 「ロボガリ」とかいう優等生ロボットがいて、これはいつも百点を貰うが、ロボコンはたいてい0点という、お定まりの劣等生賛美ドラマだが、さらにお定まりがあって、ロボコンが、今回は頑張ったぞと思っていると0点、今回は失敗しちゃった、と思っていると百点が来て、ガンツ先生が、なぜそうなのか、意外な解釈を披露するというお定まりである。
 しかしこのお定まりは、ある種の子供に悪影響を与えたのではないか。入試とか大学の試験とかで、ダメだと思っていたら実は受かっていた、ということがあるかもしれない、という幻想を与えたのではなかろうか。実際、某私大で、試験をやって落とした学生がクレームをつけてくるということがあって、どうも最近多いらしいのだが、中に「手ごたえを感じたのに落とされた」というのがあり、答案を見てみると、確かに書きこんではあるのだが、こまごまこまごま間違っている。自分がどの程度できたか、という判定も学力のうちで、こういう学生は、「手ごたえがあった」と思っている分だけ、学力も低いということになる。
 まあ、「ロボコン」観ていたのはわしの世代だけかもしれんが、最近DVDも出ているようなので、親ごさんは、これは絵空事で、ダメだと思ったらダメだからね、と教育すること。

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服藤早苗先生から、『平安朝の父と子』(中公新書)をいただく。