なんだこの雨は!

 ほとんど天変地異のように降っている。こういう時に葬儀や結婚式のある人は堪ったものじゃないだろう。

 出島が引退した。玉突き引退で、出島が大鳴戸に、大鳴戸だった武雄山は関ノ戸に、関ノ戸だった除エ司は小野川に、そして小野川だった潮丸は定年になった東関を継いでいた。しかしこう出羽一門の親方ばかり増えてはなあ。あ、玉ノ井が引退して一人減る?

 1999年11月の『文學界』の「新人小説月評」を石原千秋がやっていて、鈴村和成の小説(こういう人も小説書いていたんだなあ)を評して、登場人物の晴子はフェリス女学院高校を卒業してフェリス女学院大学へ進学しているがこの高校は進学校で内部進学はほとんどない。「小さなミスだろう」と書いている。これを見て「テキスト論ってなに? テキストは間違わないって言ったのは誰? 漱石は間違わないけど鈴村は間違えるの?」と思った人は2ケタはいただろう。テキスト論者はあまりものを言わないほうがいい。すぐこういうボロが出るから。

 古い雑誌からのスキャンで滅茶苦茶な「牽引」を校正して目を傷めた。しかしまあ今なら「男がいなければお前とつきあうと思っているのか」とか言われそうである。

 東浩紀が(俺もよくからむね)都議選は棄権した、責めないでくれ、とか書いているが、今どき選挙に行くほうがおかしい。

 映画「童貞放浪記」が好評のようで喜ばしい。もっともあれは割と原作に忠実なのだが、ストーリー展開に監督の力量が、とか書いている人がいた。とはいえ原作だって事実に忠実なので、結局、事実は強い。
 あそうだ、小沼監督が『F.ヘルス嬢日記』のことを書いているが、あれは原作は佐伯一麦『一輪』である。

 11年前の『ウルトラマンガイア』に今村雅美がゲスト出演した時の、まるで新劇みたいな演技が忘れがたくてDVDを買ってしまう。12歳で全日本美少女コンテストグランプリ、で当時はすごくかわいかった。なんであんな演技になったのかと思ったら、当時舞台で『ピーター・パン』に出ていたかららしい。しかし今村雅美って、藝名が地味だ…。

 もうすっかり見放している大河ドラマだが、松方弘樹はさすがにうまい。 

 ようやく市川崑の『幸福』がDVDになる。これはあっと驚く名画である。

 文三で同じクラスだった美術史の秋山聡(あきら)東大准教授が著書を出した。当時、みな「さとし」だと思っていたし、当人も別に訂正しなかった。「アキヤマ・アキラ」はガリレオ・ガリレイっぽい。若いころは何かひ弱な感じだったが、今ではまるでドイツの教授のような相貌になっていて「フライブルク大学博士」というのが、そのまんまである。

聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社選書メチエ)

聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社選書メチエ)