篠沢教授

 篠沢秀夫の『篠沢フランス文学講義』の第五巻を必要あって見た。これは講義録で、録音でもしたのか、おもしろい。ナタリー・サロート(1900-99)をとりあげた、1998年の講義。

 ナタリー・サロートは生きているようだ。去年も本を出しているので、生きている。死んだという説もある? 死んだと思った? ヌーヴォー・ロマン研究家のパトリック・ラボラル先生が、生きている、去年も本を出したと言ってましたよ。これは凄い(この翌年死去)

 今はインターネットがあるから、外国の作家でも死んだかどうかわりあい分かるが、分からないこともある。たとえば『天皇ヒロヒト』の著者、レナード・モズレー(1913- )は生きているのか。米国ではハーマン・ウォークが93歳で生きている。ジュリアン・グラックは2007年に死んだ。フェリシアン・マルソーは95歳で生きている。ニキータの父セルゲイ・ミハルコフは95歳。シナの欧陽山(1908- )は生死不明である。多分死んでいるだろうが、シナだから分からない。

                                                                              • -

濤川栄太が死んだか。どうしても私らには、小林よしのりに向って「漫画家なんぞの指図は受けたくねえ」と言った人として記憶されてしまっている。『ハレンチ学園』を擁護した阿部進ならそんなことは口が裂けても言わないのだがね。

                                                                                • -

14年前、あとにも先にもただ一度だけ福田和也比較文学会の懇親会で話した時、「浅田彰ってのは、大著を出そうとかそういう野心が全然ないんで、話していて気持ちがいい」と言っていた。その時は、ふーんそんなものかと思ったが、単に大著なんか書けないだけではないのか。京大教授にはなり損ねたとはいえ、あれほど学問的業績がなくて大学院長になるんだから・・・。

                                                                                • -

http://www.goemonmovie.com/flash.html
映画「GOEMON」に「浅井茶々」の役名。ふっふっふ。淀君淀殿かという不毛な議論をアウフヘーベンした、私の「浅井茶々」という呼称の制覇は、もはや動かぬものとなりつつある。