三好京三の姿

 石田衣良の連載が相変わらずおもしろい。作家仲間の会話で、城之内臣という十年前に同期デビューした作家が、デビュー作『そして、ぼくは愛を誓った』がベストセラーになり、『愛チカ』と略称さえされたが、二作目が書けず、今では地方都市で小説教室の講師をしているとか、22歳で純文学の登竜門・芥山賞をとった、当時美人の女子大生だった船山多摩子は、筆を折って商社員と結婚して中東にいるとか、それそのままの作家はいないにしても、複数のモデルの混ぜ合わせが推定できる。
 ところで、1990年ころだったが、三好京三が、直木賞受賞作「子育てごっこ」の題材としたきだみのるの娘から、少女の頃三好から性的虐待を受けたと告発されたことがある。直木賞以後、教育論も数多く出し、養女との共著もあった三好だが、この事件以前から、既にあまり冴えない作家になっていた。
 養女の話については、昔から虚言癖がある、と三好は言っていたが、真偽は遂に不明のまま、誰も深く探ろうとはせず、養女はどこかへ姿を消した。その時、テレビが三好に取材をしたが、三好は取材中とかで、肩から鞄を提げ、憂鬱そうな顔で写っていた。その姿が、どうも私の目に焼きついている。

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みんないろいろ悪口言いつつ、内心、石原慎太郎に嫉妬しているんだろうなあ。もう76だというのに元気なこと。一時期、作家としても政治家としても、二流で終わりそうだった時期もあったが、しかもいかにも偽善者的な権力者じゃないし、言いたいことを言うし、男なら・・・こんな老人になりたいと思うだろうな。