最近、学生のレポートで二例ほど、逆接の接続助詞「も」が使われているのに出くわした。「ナポレオンはエルバ島を脱出してフランスに上陸、再度皇帝を名乗るも、ワーテルローの戦いに敗れ・・・」の「も」である。『岩波国語辞典』では、後世の文語的表現とあり、『日本国語大辞典』は、主として古典から用例を拾っており、この用法はないようだ。
推量するに、大正から昭和にかけて多く使われたのではないかと思うが、昨今にわかに流行しているのは、ウィキペディアでこれが多用されているからであろう。その原因を探ると、ウィキペディアには歴史について詳しい記述をしている項目があり、『国史大辞典』がしばしばこの「も」を使っているので、そこから流れてきたものと思われる。