私が子供の頃、「みんなのうた」で「美山の子守唄」というのを聴いた。
ねんねしなはれ 今日は二十五日
明日はこの子の誕生日(たんじょうにち)よ ホホー
というはじまりである。そのあとで「宮参り」をするという歌詞になる。
のちに、前近代において誕生日を祝うということがあったろうかと思い、またこの「たんじょうにち」という読みも気になった。
『日本わらべ歌全集15 京都のわらべ歌』(高橋美智子、柳原書店、1979)にこれは載っていて、その変形ともいうべき「京の子守唄」が載っていて、これは、
ねんねなさりませ きょうは二十五日
あすはおまえの誕生日(たいじょにち)誕生日
とある。美山の子守唄のほうは、北桑田郡美山町野添での採取で、名曲といわれるとある。
日本国語大辞典を見ると「たんじょうにち」は、室町時代から用例がある。だからそれはいいのだが、宮参りというのは誕生日にするのではなく、生後一か月でするものである。とするとこの「誕生日」は、いわゆる誕生日ではなく、生まれた翌月同日のことではないか、という気もする。
いわゆる「民謡」が、前近代からあるものではなく、昭和期に作られたものが多いことは渡辺裕も指摘しているが、これら子守唄も、近代になって作られたものだろう。