2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

労働貴族

蟻二郎(本姓・三宅)という英文学者が、平井正穂氏を糾弾するという文章を『新批評』という同人誌に書いたのはその筋ではよく知られている。その文章の中で、大学院生の就職についての改善を蟻がいうと、平井だったか教授が、そんな面倒なことになったら大…

夜よゆるやかに歩め

「政治少年死す」も入っている『大江健三郎全小説』が出るそうだが、どういうわけか、『青年の汚名』が入っていない。あと大江最大の封印作『夜よゆるやかに歩め』は当然のように入っていない。 これは1959年、デビューしたての大江が『婦人公論』に一年間連…

比較文学会を提訴した元理事

比較文学会の会報に、一会員が学会を名誉毀損訴えたという記事があって驚いた。一年ほど前に、学会の倫理規定に反したというので一会員を懲戒したと書いてあり、それも何のことだか分らなかったのだが、それを書いたことによる名誉毀損だという。しかし名前…

凍雲篩雪

小保方晴子と「魔女狩り」 私は最近の、「SEALDs」とか「SMAP」とか、アルファベットで書かなければいけないという風潮が気持ち悪い。女性雑誌名で、アルファベットの大文字と小文字が混在しているのなどは、校閲が直すからいいとして、一般人が書く際にまで…

英文科同期の現在

宮本なほ子→アルヴィなほ子 東大総合文化研究科教授(英ロマン派) 矢田部良一 同(英語学) 中村浩一郎 帝京大学講師(英語学) 高岸冬詩 首都大学東京教授(英国詩) 吉田信夫 跡見学園大学准教授(アメリカ文化) 加藤雄二 東京外国語大学教授(アメリカ…

ここまでバカとは思わなかった

https://wan.or.jp/article/show/7237 先般来問題になっている城西大学前理事長・水田宗子の公金費消事件だが、こんな声明を出したバカどもがいる。中には私の知っている人も多く、特に信頼していた人というのはいないのだが、ここまでバカとは思わなかった…

司馬遼太郎の『胡蝶の夢』のうしろのほうに、松本良順が浅草のえた頭弾左衛門を診察するところがある。そこで、被差別民の「研究者としては、古くは幸田成友博士、高橋梵仙氏、現在では石井良助教授、荒井貢太郎教授、高柳金芳氏がおられる」(新潮文庫第四…

小説のしくみ: 近代文学の「語り」と物語分析作者: 菅原克也出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/04/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る