未成年者喫煙禁止法

 内田百間は子供の頃煙草を喫っていた。なんでかと訊いたら、「子供が煙草を喫ってはいけないという法律がなかったからだ」と答えたという話が逸話集に載っていたが、別に百間が奇抜なことを言ったわけではなく、明治33年(1900)に未成年者喫煙禁止法ができるまでは、そういう法律はなかったのである。
 とはいえ、その当時は紙巻き煙草の国産品はまだできておらず、輸入品しかなかった。ので喫煙といったら煙管である。あまり煙管を使う子供はいなかったであろう。