http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20130602
 この件続き。小島憲之は『日本上代文学と中国文学』中巻(1964)、971-979pに「山上憶良の述作」を載せ、そこで陶淵明、および「貧家賦」の影響を論じ、「天平時代の世間の貧窮の有様はこの問答の中に余すところなく描かれてゐる。しかしその奥にはやはり漢籍の語句に基づく文学的(フィクション)な部分が多く、この作品を徒らに現実的社会的な面のみより眺めることは、憶良の作品全体の文学性を忘れてゐると云つたそしりを免れ難いであらう」としている。(本字を新字に改めた)むしろ芳賀紀雄のほうが、これを現実だとしたがっているようである。

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著書訂正
久米正雄伝』
305p「小田原の市長になっていた益田孝」→「益田孝の次男の益田信世」