わびしさ

 十年ぶりくらいで大宅壮一文庫へ行ってきた。前に行ったのは三鷹在住の頃だから当然八幡山駅から歩いたが遠かった。今回は自宅から自転車で三十分ほどか。労力はあまり変わらない。晴れた土曜日だというのに利用者が少ない。あと、八幡山駅から大宅文庫へ行く途中に、昔のヌード・アイドル雑誌を扱っている店が二つある。これも十年前に何度か寄った。今回も帰りに一件寄ったが、妙に物悲しさばかりが募った。まあだいたいが、昔のアイドル雑誌というのは、物悲しいものなのだが、今はそれに加えて、こういうのはオークションで簡単に入手できる。十年前はまだそれほど発達してはいなかったが、一般の古書店なら、中身が確認できるという点で、ネットでの入手に優るが、こういうところはビニール袋入りなので、懇願すれば確認させてもらえる(事実、昔したことがある)が、だからまあ存在意義はだいぶ薄れているからである。
 大宅文庫にしたところが、果して維持できるのかといくらか不安になったことであった。