ベルリン忠臣蔵

 原題をDer Sommers des Samurai という、ハンス・ブルーメンベルク監督の1987年の作を観たのだが、まあ例によって勘違い日本文化映画なのだが、今ひとつ笑いどころが足りなかった。現代ドイツのハンブルクで連続強盗事件が起きて、現場には「近松」「赤埴」「富森」など赤穂四十七士の名前が漢字で書きつけてある。これは大石内蔵助ハンブルクに現れたわけで(じゃなんでベルリンなのだ)、興味を持った女性ジャーナリストが追う。標的となったのはクラールという悪徳商人で、吉良をもじったらしいが、数年前に日本に行った時、仲間たちと酔って人の家へ忍び込んで刀を盗んできた。実はそれは大石家に伝わる村正の刀で、従妹の画家に預けておいたもので、その女は責任をとって切腹。大石子孫はそれを取り戻し、クラールに復讐するためにドイツに来たという話。クラールは「サムライに勝てるのは忍者だけだ」とか言って忍者を雇い、バットマンみたいな紛争の大石が忍者と戦う。大石が押し入った店を地図上でトレースすると「大石」という漢字が浮かび上がるとか、なかなかなのだが、今ひとつ。