おどおどモード

 今日は久しぶりに「おどおどモード」になった。きっかけは、駒場の書庫で、電動式のところで職員の女性が作業をしていて、私の見たい雑誌がその近くにあったので、一時どいてもらって開けて入って出てきて職員さんが入ったあと、メモを置き忘れたことに気づいて、「あっ、すいません、ちょっとメモを」と言ってまたどいてもらったことで、これになった。
 小腰をかがめんばかりに、あるいは猫背になって、「あっ、あっ、すいません、私が悪いんです、どうぞどうぞ」みたいな姿勢と精神状態になるのが、「おどおどモード」である。いつからか知らないが、時々外を歩いていてこれになる。というのは、いつも私は他人の悪や卑怯や怠惰や禁煙ファシズムと戦いながら歩いているので、これをやると骨休めになるのである。これに入ると実に楽である。何しろたいていは自分が悪いことにするので、怒らずにすむ。まあ変な話だが、最近はあまりにも相手が悪いことのほうが多いので、久しぶりのおどおどモードだったが、実はこのモードで授業をやると、少しくまずいので、30分ほどしか続かなかった。

 さて文藝家協会だが、日曜に理事長から私と大塚さんに速達が来て、桐原が職務を逸脱した行為をしたことを認めて詫びている、などと書いてあるからびっくりしてすぐに、桐原はそんなことはまったく言っていない、とファックスを送った。そして今日、桐原から協会の規約が送られてきて、みたら、やっぱり入会は委員会で決めるとなっていたので、理事長がかくかく、規約によればやはり委員会で決めることだ、とメールしたら、それは知らない、理事長はいま遠方へ行っているから帰ったら相談する、また規約については、一般入会はそうだが推薦入会は違う、などと言うのだが、どう見たって推薦入会も委員会を通すと書いてあり、桐原が言うように、書記局から理事会へ直行などとは書いていない。なぜそんなすぐばれる嘘をつくのか。

 嘘つきといえば中島ギドー、大学を辞めると言っていたのに辞めていない。そこまでものすごい嘘つきだとは思わなかったぜ。(大学が認めてくれなかったらしい)