2023-11-15から1日間の記事一覧

丸谷才一と林房雄

丸谷才一の初期中編に「思想と無思想の間」(「文藝」1968年5月号)というのがある。芥川賞をとる「年の残り」が同年3月だからその直後のもので、林房雄をモデルとしているようだが、現実と小説の関係は入り組んでいる。視点人物は塩谷実という、推理小説の…

小田実と「細雪」

小田実に「現代史」という、1500枚くらいある長編小説があって、それが谷崎の「細雪」を下敷きにしているということを最近知った。これは題名からはちょっと想像がつかない。それで図書館から「小田実全仕事」の4巻にまとめて入っているのを借りてきて斜め読…