どっとはらい

 「セカンドオピニオン」なんて言うからがんかと思って生きた心地もしなかったよ田中貴子。あんたに今死なれたらたまらん。
 ほんまもんの卑怯な学者は、何言われても完全沈黙、黙殺して生き延びるものや。それをあんたはぎゃあぎゃあ言い返すし、ウィキペディアまで編集するし、性格悪いくせに卑怯もんになりきれん人やないか。
 今の大学なんて、まじめにやってたら死んでしまうようなところなんやから、気をつけな、あかん。

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郵便局で国会図書館複写の振替もできない面倒な連休である。伊吹和子さんの新刊の谷崎先生のところを立ち読みしたが、一貫して『源氏』訳の話で、西野厚志が「卓見」「若い力」とか絶賛されていて、またかと思う。谷崎が、山田孝雄なら削除してくれるだろうと思って山田に頼んだというのは雨宮庸蔵も書いていることで、西野が裏づけをしたとはいえ特に新発見をしたわけではないのだが、新聞に出たせいか、『解釈と鑑賞』の源氏特集でも西野礼賛が多かった。まあ近代文学研究者とか「物語研究会」の人たちは、不敬箇所を削除したとかそういう話が好きなのだろうが・・・。
 こないだのパリ谷崎シンポジウムではゲイ・ローリーと伊吹さんの共著論文を西野が訳していた。ところで西野氏ももう30近いのではないかと思うが、雑誌論文はサイニイで見ると問題の「ボロメオの結び目を解く」があるだけだが、論集掲載論文が多い。またその題名が
「器官なき文体の獲得に向けて」2005
「ファルスの導入を繰り返す」2006
「谷崎源氏・山田孝雄旧蔵『定本源氏物語新解』対照表」2006
「物語ヲ削除スル」2006
「「源氏物語」を読む本居宣長/ポルノグラフィを読む山田孝雄」2007
「灰を寄せ集める」2007
「物語は亡霊たちをdeleteしたか」2008
 てな具合で、途中はそれ関係だろうとして、きっと基底材を猛り狂わせたい人なんだろう、と思うばかり。どうせなら早く博士号をとって単著を出してほしいものではある。