吉永仁郎「滝沢家の内乱」

吉永仁郎(じろう)の戯曲「滝沢家の内乱」は、馬琴の老いてからの家庭内を描いたもので、1994年5月「悲劇喜劇」掲載。蝉の会が紀伊国屋ホールで94年6-7月に上演。馬琴は大滝秀治、お路は三田和代

 馬琴が「春色梅暦」の悪口を言うところがあり、一人の男を二人の女が恋して二人でわけあう(妻と妾になる)とは何たることだ、と言っているが、これは馬琴が『三七全伝南柯夢』で初めて使った三角関係の解決法である。