ツイッターでどこかの学者らしい人が書いていた、子供向け伝記なのに野口英世の濫費を描いたものというのは、福和すみえ『この人を見よ!歴史をつくった人びと伝 野口英世』(ポプラ社、2009)であろう。なお表紙の著者は「プロジェクト新・偉人伝」で、福和の名は奥付に小さく出ているだけである。
 「花の東京へ! めくるめく青春の日々」の章で、

 しかし、このあたりから清作の生活に変化が出てくるのです。
 始まりは、試験が終わってホッとし、ついネオンに目が行ったことでした。吸いこまれるように入った店では、夢のようなひとときが待っていました。初めて会う清作にやさしくしてくれるお姉さん。グラスに入ったお酒。(略)それからのことは…・・・、あまり覚えていません。気づけば下宿に転がっていました。ガンガンする頭で財布をのぞくと、なんとカラっぽ。

 というあたりだろう。