今こそ

 この話は書いたことあったかなあ。何か書いてはいけないような気がしていたのだが、玄月藤野千夜芥川賞をとった時に私は朝日新聞の企画で新喜楽に行っていたのだが、その時は宮本輝が代表して記者会見に応じた。そこにいたのは主として新聞記者で、私はセーター姿で、選考委員が現れる前に写真など撮っていたから、後で「悪目立ちしていた」とか言われたものだ。あと、日本文学を研究に来ている米国人らしい青年も混じっていた。
 それで、玄月を推したということで宮本輝が出たのだが、驚いたのは宮本の態度の傲慢さである。記者会見の司会は私も知る『文學界』の編集長がやっていたのだが、その編集長に大阪弁でからむのである。ヨコタ村上孝之みたいな感じで、「何やもうしまいか」などと言っていた。
 終わってから数人で外へ出て少し歩いたのだが、その米国人青年もいたので、私は彼に英語で「Miyamoto Teru's arrogance」に驚かなかったか、と訊いたら、彼は「イエース!」と小声で叫び、「それに一番驚いたのだが言えない雰囲気があって言えずにいた」と言ったものである(もちろん英語で)。
 当時まだ宮本輝は、好青年風の若いころの写真が流布していたので、まるっきり大阪のおっさん風なのに驚いたというのもあるのだが、後で人に話しても、「そりゃあ宮本輝ってそういう人でしょう」というような反応が多かったのであった。 

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http://www.kishimoto-fan.com/blog/2011/02/post-46.html
岸本さん、ホットカーペットはダメ! 電磁波が凄いんだから。(もしかすると電磁波カットのやつを使っているのかも。ならいいけど)