「ウルトラセブン」では、ウルトラ警備隊の隊員がほかは「フルハシ」「アマギ」「ソガ」などと苗字で呼ばれているのに、ダンとアンヌだけ下の名呼びの特別扱いを受けている。「ウルトラマン」でも、ハヤタは苗字呼びだし、「帰ってきたウルトラマン」でも郷秀樹は「郷」呼びで、「ウルトラマンA」では、北斗と南がお互い呼びあう時だけ「星司さん」「夕子」と呼んでいて、人に聞かれたらどうするんだろうと思ってしまうくらいだ。「ウルトラマンレオ」では、おおとりゲンは隊長からは「ゲン」と呼ばれていたが、他の隊員も「おおとり」とは呼んでいなかったからゲンだろう。
それからしばらくたって再開したウルトラシリーズの「ウルトラマンティガ」では、「セブン」と同じ、主人公カップルだけが「ダイゴ」「レナ」呼びだった。だがそのあとは、時代の変化のせいか時には隊長以外は全隊員が下の名前呼びになったりして、今日に至っている。ダンとアンヌや、ダイゴとレナの「特別扱い」は、いかにも「芝居の嘘」っぽくて面白かった。
(小谷野敦)