主催者は部屋にいていいのか

 2004年の1月から3月まで私は麻布高校の教室で、小浜逸郎が主宰する「人間学アカデミー」の講師を務めた。ところが第一回、小浜らに教室に案内されると、もう十二、三人の受講生が集まっていたが、そこへ小浜、佐藤幹夫ら三人以上の、主催者側の人間がどかどかと教室へ入ってきてにこにこしながら座り込んだ。

 私は大学で長年教えていたが、上司や目上の教員が教室にいるなどということはなかった。アカデミック・フリーダムを侵害するからだ。しかも、私はそんな話は前もって聞いていなかった。

 私はその連中がいることでそれなりに動揺した。その上、小浜は私の発言に対して介入してきたのだが、これは明らかに妨害行為ではないかと私は思った。

 その結果、私の講義はかなり混乱したものになったのだが、のち三回目が終わってからの打ち上げでいきなり私の講義がひどかったと言い出したやつ(のち死亡)がいて、私は途中退席して帰った。さらに数年してここに出講した中島義道が、小浜から、「小谷野さんよりはよっぽど良かった」などと言われたと嬉しげに『新潮45』に書いたのである。実に小浜というのは非常識で無礼な男だった。