三島由紀夫に同情する

 私は三島由紀夫が嫌いだが、安岡章太郎の『僕の昭和史』を読んでいたら、思わず三島に同情してしまった。というのは68年ころか、三島が「自衛隊をいつまでも継子にしておいてはいけない」と言うと、反米らしい安岡が「そうですね、自衛隊がクーデタを起こして米軍を追い払ってくれたら」と言ったから、三島が「同盟国に対してクーデタを起こすなんて・・・」と困った顔をしたというからである。