こないだふと、小学校の音楽の時間に教科書に載っていて習った「かりうど」という歌を思い出して調べたら北原白秋の詩に成田為三が曲をつけたものだったが、ようつべにもないどころか、歌を収録したCDなどもないらしく、聞きたいので頭を抱えている。『白秋全集』第28巻、童謡集4に載っていたので転載しておく。これは1943年刊白秋最後の詩集『国引』に載っており、初出は昭和2年1月『赤い鳥』である。『国引』では、少し前に、総理に就任した東条英機を称える「東条さん」も載っており、これは津川雅彦が東条を演じた映画「プライド」でも一部朗読されていた。
九十九人のかりうどが、
鉄砲かついで、お月夜に。
らららん、らららん、らりるれろ。
どうどうめぐりの山の中、
ひいと啼くのが鹿だろな。
らららん、らららん、らりるれろ。
鹿は何鹿、子もち鹿、
かいもごろりと、もう寝てか。(ここ意味不明)
らららん、らららん、らりるれろ。
待て待て、皆さん、この霧だ、
づどんづどんぢや腹がすく。
らららん、らららん、らりるれろ。
ここらあたりで火を焚いて、
雉の丸焼、ほらどうぢや。
らららん、らららん、らりるれろ。
月はさむざむ、夜はふける、
どうどうめぐりの山の中。
らららん、らららん、らりるれろ。
九十九人のかりうどが、
鉄砲かついで、犬連れて。
らららん、らららん、らりるれろ。