中村詳一

中村詳一伝」 藤井禎輔 編著. 「中村詳一伝」刊行会, 1966、という本を入手した。英文学の翻訳家だがほかにもやった人らしい。伝といっても色々な人が書いたものの寄せ集めなので、以下にまとめた。

 

中村詳一(1889年ー1962年10月14日)
山口県阿武郡佐々並村(現萩市)出身。高等小学校卒後、上京し正則英語学校に学び、斎藤秀三郎に英語を学ぶ。卒業後同校講師となる。1906-09年『文章世界』に小品を多く登校する。兵役を1912年におえて田山花袋に師事。1923年成蹊高等女学校の講師となる。1932年満州国資政局訓練局長(のち大同学院)となる。のち帰国、敗戦後郷里へ帰り、村会議員を二期、県立農業高等学校講師などを務める。1955年東洋大学専任講師となる。英文学の翻訳をしたが中には津田英学塾を出た千代子夫人との共訳、正則英語学校の後輩で同郷の吉岡貞雄への名義貸しがある。筆名に紫胡志閑、清風堂主人、高峰生。書を比田井天来に学ぶ。

*翻訳

ガリヴア旅行記』スウイフト 著, 国民書院, 1919(吉岡貞雄)
自然論 附・エマソン詩集 (世界名著文庫 エマソン 著, 越山堂, 1920
ヘレニズムとヘブライズム』マシウ・アーノルド 著, 杜翁全集刊行会, 1921
基督の道』トマス・ア・ケンピス 著, 越善堂書店, 1921(千代子共訳)
ポンペイ最後の日」ブルワー・リットン 世界文芸全集 新潮社, 1923(吉岡)
エマスン詩集 (泰西詩人叢書 聚英閣, 1923
シエクスピヤ物語 (世界名著選家庭文庫) チャールズ・ラム 著, 春秋社, 1926(千代子共訳)
シヤアロツク・ホウムズ 全訳』コナン・ドイル 著, 中村詳一 吉岡貞雄訳. 嶺光社, 1926
誘拐』スチィブンスン 著,凉木貞雄共訳. 開隆堂[ほか], 1926(吉岡)
唐大和上東征伝 和訳』元開 著, 中村詳一 [訳]. 堀朋近, 1942