子供のころ、一家四人で「大利根堰」というところへピクニックに行ったことがある。父のトランジスタラジオから左卜全の「老人と子供のポルカ」が流れていたのを覚えているから、1970年の4月ころだろう。私は小学校二年生で、弟は三歳になる前だった。私は父のバイクに、弟は母の自転車に乗って川のところまで行った。
しかし利根大堰というのは群馬県と埼玉県の境にあり、のち埼玉県から社会科見学で行ったのかもしれず、それと混同しているらしい。母は自転車なのだから、一時間くらいで着くはずで、果たして利根川だったかも疑わしい。いったいどこへ行ったのか、今となっては尋ねる相手もない。