伊丹十三と吉行淳之介には共通点がある。
・父親が子供の頃死んで、母親が再婚し、母は本人より長く生きた。
・妹がいる。吉行は、一人は女優、一人は芥川賞作家になり、伊丹は、ノーベル賞作家の妻になった。
・もて男である。
伊丹はある時期、自分がもて男として女にひどいことを(多分)してきたと反省して、心理学者相手にエディプスがどうとか、フェミニズム的正義を語ったりしていたが、その頃伊丹がやっていた『モノンクル』に吉行が呼ばれて、レズ女性を交えて岸田秀と鼎談したことがあった。なぜか吉行は岸田からフェミニズム的にあれこれ非難されてぼやいていたが、これは伊丹の吉行に対する同族嫌悪ではなかったか。