女同士でディズニーランドで結婚式を挙げたというカップルの漫画を読んで、前から気になっていたことを思い出した。LGBTの会とかいうのがあるが、こういうのはたいてい「左翼」、まあ私に言わせれば「なんとなく、リベラル」である。しかしLGBTだからといって、政治的にそれであるとは限らない。九条改憲派も、自民党支持者だっているだろう。そういう人は、苦しいのではないか。

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小早川明子の『「ストーカー」は何を考えているか』(新潮新書)を読んで、少し困った。小早川はストーキング専門のカウンセラーで、加害者、被害者双方の相談に乗っている。加害者の精神の病み方がよく分かる、とりあえずいい本である。ただし、全体として、つきあっていた男女が別れたあとのストーキング、暴力、殺害などにいたるようなケースを中心としており、もう少し軽いケースに筆が及んでいない憾みがある。
 私は小早川の本は『あなたがストーカーになる時』から読んでいるが、これももう13年前の本だ。だが、この最初の本から、小早川は二冊目にかけて「変わった」。最初の本では、自分がストーカーになった経験を書いていたのに、今回は、被害者になった怒りからこの活動を始めたとしていて、嘘ではないのだが、自分がストーカーになったことがあることは隠されている。
(付記)指摘を受けて、80pに、過去ストーカー加害者であったことが書いてあると言われた。ただし奇妙な書き方で、ストーカーになった人たちのカウンセリングをしているうち、30年前に自分も加害者であったことを思い出した、「気づき」だとある。だがそんなことを忘れるのも変だし、第一、13年前の本に、去ろうとする男の車のドアに手をかけて引きずられるといったことまで書いているので、その時小早川は42歳くらいであり、「30年前のことを思い出した」のは現在ないし数年以内のことだから、やはりおかしいのだ。