柳田國男を「文学者」に加えてしまう人は多い。しかし、1962年まで生きた柳田は、いったいどの程度、文学を読んでいたのか。もちろん若いころは詩人で、田山花袋国木田独歩と親しかったのだが、それより下の世代、ないし戦後文学となると、とんと見当がつかない。