「日本的独自性の神話」

 私がたびたび論及しているピーター・デールの『日本的独自性の神話』は、今度ペーパーバック版が出るようだが、実は抄訳が『中央公論』1987年11月号に出ていた。今まで気づかなかったのは、一つにはサイニイに「日本独自性の神話」と間違って出ていたせいもある。
 訳者は中村京子という人だが、この人は十月号に、イアン・ブルマの「梅原猛氏はやはりヤマトイストだ」を訳している。だが、誰だか分からない。多分これは佐伯順子さんの変名である。だってデールのを訳したと自分で言っていたし、その後一冊分訳した『双子と分身』の、生硬でこなれない訳文とよく似ている。
 よって私の著述中の『日本的独自性の神話』の箇所は、よろしく、抄訳あり、と訂正してもらいたい。