高校でシェイクスピア

 「魔法少女を忘れない」という映画が、「映画芸術」ベストテンに入っていたので観はじめたのだが、冒頭から「?」なシーンで、後のほうもワケわからんものであった。ラノベが原作らしいが、冒頭はいきなり高校の英語(?)の授業で、教師は若くてかわいらしい女性、それがシェイクスピア十二夜』を教えている。高校でシェイクスピアを英語でやるなんて、ありえない。生徒が読んで(普通の高校生にシェイクスピアは読めない)、訳すと、男子生徒が、「先生、レテの河って何ですか」と訊く。すると先生は答えるのだが、生徒たちが「おおーっ」とどよめくから、なんだなんだ、と思ったのだが、女性教師は親しみをこめて生徒たちからバカにされており(?)、すらすら答えたから驚かれた、らしい。女性教師は「なんたらかんたら、予習してきたの」と言うのだが、そりゃ三題噺じゃないんだから、予習するの当たり前だろうと。
 この異様な場面にいささか呆然としたまま、その後もやや理解しかねる展開が続いて、「これが音に聞くラノベの世界か…」と感慨に耽ったのであるが、別段人気があるわけではないらしく、映芸の評論家たちの特異な好みらしい。