連休だから出ないのかと思っていた『週刊朝日』の書評欄で福田眞人の本がとりあげられていて、「ハリセンボンが結核で入院と聞いて驚いた」と書いてあったから、魚が入院したのかと思って驚いた。
 先週の『週刊朝日』には、沖藤典子が女学校時代、級友が『テス』の話をしているのを聞いて、何だろうと思っていて、何のことだか聞けず、そのまま40年が過ぎてイングランドへ行った時に『テス』の話を聞いてそれを読んだ、とあって、これはまったく私の被害妄想なのだが、まるで沖藤さんが、「文学に興味がない」自慢をしているように見えてしまったのである。
 沖藤さんは1938年生であるから、多分私らの世代の「文学が趣味であるということで馬鹿にされた」という高校から大学にかけての、むろん濃淡の差はあれ、苦い経験が理解できないのではあるまいか。宮崎先生もおそらく。

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『一冊の本』の連載で橋本治が「別に天皇制を否定する気もないのだが」と書いていて、ほう橋本ってそういう人だったか、と思った。もっとも最近の橋本治は、それくらい言い出しかねないところがあるが。