欲しいのは15秒

 昨日ふと、90年代にやっていた「サトウのごはん」の「玄関開けたら二分でごはん」をYTで探したら見つかったのだが、私が好きだったヴァージョン、マンションの部屋まで帰ってきたら部屋の前で男女がラヴシーンをやっていたので、女の子が部屋に戻れず、「玄関開けたら二分でごはん」とくりかえすやつが見つからなかった。あの女の子好きだったんだよなあ。調べたら小泉かおるとかいう子らしい。
 恐らく私の厖大かつ整理されていないビデオの中のどこかにあるのではないかと思うが、今となっては探すのは不可能に近い。
 私がビデオデッキを買ったのは1982年なので、27年にわたって実に色んなものを録画してきたが、途中までベータだったし三倍速で録っていたから、失われたものも多い。それで考えてみると、くり返し全部観た映画や演劇もあるけれど、一箇所だけとか、2分程度の「みんなのうた」なんかをくり返し観たことも多くて、映画でも、『ロッキー』なら最後の対決シーンだけ観るとか、『スウィングガールズ』なら最後の演奏シーンだけとか、『3月の五日間』ならミッフィーちゃんの場面だけとか、くり返し観たいのは一部だけとか、二分でごはんとかCMが観たいとか、そういうことは多くて、多分若い人はパソコンで編集したりしているのだろうが、失われたものはもう仕方がない(加藤周一の「キジャク」発言についても、確認したいのだが…)。
 うーんあれは何の番組だったか、私が大学生の時、二時間くらいのスペシャルドラマをソニーがスポンサーで、三回だけその番組用のCMを入れたのがあって、その中に、水上勉が竹人形について語るのだが、背後にローエングリンの第三幕への前奏曲が流れていて、それがめちゃくちゃかっこ良かったのだが、あれも何かで失ってしまった。CMソングのCD集は出ていたが、DVDも出してくれないかなあ。

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「金元死刑囚」って誰かと思ったら金賢姫なのね。それなら「金賢姫」でいいのに、「金賢姫氏」とも書けないから「金元死刑囚」…この人って生涯こう呼ばれ続けるのだろうか。別に「金賢姫氏」でいいと思うのだが。

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高島俊男先生が、幸田露伴の「運命」は、名文だと讃えられているけれども、ネタ本である『明史紀事本末』を訓読しただけだ、と書いたのは『文學界』2000年2月「幸田露伴支那」で、のちちくま文庫『しくじった皇帝たち』に収められた。しかし井波律子先生は『文学』で、露伴は内容を取捨選択していると論じ、しかし高島先生の名は出しておらず、今度出た井上章一・井波編の、恐らく井波先生の退任記念論集になるのであろう『幸田露伴の世界』でも同じことを繰り返している。『文学』の時ほど絶賛はしていないが、やはり高島先生の名は出ていない。
 高島先生は「名文だと言われてきたが」と言っているのだから、取捨選択した、というのは実際には反論になっていないのである。まあ、高島−井波論争など期待するほうが悪いのかもしれないが…。
 実のところ私は、幸田露伴というのがそんなに偉い作家かどうか疑っている。といってもあまり読まれていないのだから、わざわざ言うほどのことはないのだが、「幻談」などを発掘した川村二郎の功績は認めるけれど、「五重塔」なんて落語の人情噺のようだし、『天うつ浪』なんて谷崎先生も下らないと言っているし、『いさなとり』なんて、まるで旧幕時代の読本が近代化したようなもので、あれに比べたら村井弦斎の『子猫』のほうがよほどへんてこりんで面白い(この言い回し某氏より借りる)。

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http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&id=775594
どうもミクシィ禁煙ファシズム系のニュースが好きだな。
 この医師の発言のうち本当に禁煙団体が困ったのは「禁煙が進むと医療費がかさむ」というところであるのは明らかで、だって禁煙団体はみな健康になって医療費削減になると主張しているからだ。「健康で長生き」するのだとか、山形浩生ですら言っていた。

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中村光夫の小説『時の壁』で、坂田山心中事件が起きたあたりで「君は処男のわけか」というせりふが出てきた。