昨日(19日)、衛星放送で、「九ちゃんの立体講談」をやっていたので、観た。1977年、『こども面白館』という、土曜日の午後6時ころからやっていたスタジオ番組の中のもので、私の記憶では、久生十蘭の『魔都』を最初にやったように思っていたが、『レ・ミゼラブル』だったようだ。
坂本九の講談調の語りの上手さは、73-74年の『新八犬伝』で発揮され、それを当て込んでの企画だったろうが、パネルに映し出される絵に合わせて九ちゃんが語り、ゲストの女性歌手が女の声をやるという趣向だった。惜しむらくは、やはり子供向けではなくてもう少し本格的にやってほしかった。しかし今回観て、坂本九の若いのに驚いた。当時37歳。
その後、世界日本びっくり話というのが続いて、ハレー彗星の話。最後に、次に1986年(昭和61年)にハレー彗星が地球に近づく、と九ちゃんは言った。いやー、そんなに昭和が続くかねえ、と当時は思っただろうが、それは続いた。確かに1986年4月、ハレー彗星はその姿をほとんど見られることなく近づいたが、放送当時、誰も思いもよらなかったのは、その時、坂本九がこの世にいなかったということだ。