2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴァネッサ・スプリンゴラ「同意」アマゾンレビュー

同意 (単行本) 元ネタの翻訳がない 星4つ - 評価者: 小谷野敦、2021/03/29 フランスの現在84歳のマツネフという少女との性愛をネタにしてきた作家が50歳の時14歳の著者を恋人にしていたということを本人が書いて告発したもの。当時のフランスでは文化人が少…

「ザ・中学教師」アマゾンレビュー

ザ・中学教師 [DVD] ざわざわする 星3つ - 評価者: 小谷野敦、2021/03/25 プロ教師の会の主張に基づく長塚京三の管理教育教師を中心として描いているが、長塚は生徒の父母からの贈物をあっさり受け取っており、立派な人ではない。いじめに逢っている娘も、家…

野口武彦『元禄五芒星』アマゾンレビュー

小谷野敦 5つ星のうち3.0 忠臣蔵の周辺 2021年3月23日に日本でレビュー済み 「元禄六花撰」の続きで五編の小説風評論を載せる。大石主税の衆道的側面を描いた「チカラ伝説」と、大野九郎兵衛の息子を描いた「元禄不義士同盟」はなかなか面白い。だが戸田茂睡…

近松門左衛門と坂田藤十郎(2)

近松門左衛門と坂田藤十郎 - jun-jun1965の日記 ここに書いた、近松と坂田藤十郎の関係について、藤本義一が「人面瘡綺譚」という短篇を書いていた(『生きいそぎの記』講談社文庫)。藤十郎の側から、人形浄瑠璃のほうへ寝返った近松を恨む内容で、これは藤…

佐々木たづ「ロバータさあ歩きましょう」アマゾンレビュー

小谷野敦 5つ星のうち2.0 お金持ちですね 2021年3月22日に日本でレビュー済み 著者は高校三年の時目の病気のため失明し、童話作家として立ち、英国で買って来た盲導犬がロバータという話で、エッセイストクラブ賞を受けている。1954年のことなので、著者の家…

新刊です

著書訂正: 12p、初代両国国技館が第二次大戦で焼け、蔵前に移ったという記述は、両国国技館は軍部に接収、戦後は米軍に接収され、日大講堂になった、と訂正 61p、北尾(双羽黒)について、優勝経験なく横綱になったのは初、は訂正し、優勝経験なく辞めた…

大林宣彦「海辺の映画館」アマゾンレビュー

小谷野敦 5つ星のうち1.0 晩節を汚す 2021年3月10日に日本でレビュー済み 美少女を裸にするのが好きだった映画監督が、晩年、世間から褒められたくて凡庸な平和主義に陥り、まんまと世間に褒められて死んだ。その集大成みたいな映画だが、なんで西郷隆盛みた…

仁科邦男「犬の伊勢参り」アマゾンレビュー

小谷野敦 5つ星のうち2.0 共同幻想 2021年3月11日に日本でレビュー済み 徳川時代後期に、山形とか長州とかから犬が単独で伊勢参りをしたという共同幻想があった、ということが書かれている。しかし著者は実際に犬が伊勢参りをしたと信じているが、それは誰か…

杉本苑子「西鶴置きみやげ」

杉本苑子の短篇「西鶴置きみやげ」は、『オール読物』1968年11月号発表で、同題の短編集(月刊ペン社、1971)に入っている。西鶴の半生を「代作説」で描いたものだ。西鶴は俳諧師だが、『好色一代男』は死んだ妻の兄の寺内兵庫という架空の人物が書いたもの…