2020-06-09から1日間の記事一覧

「姉妹」(家城巳代治)中央公論2016年10月

畔柳二美(一九一二‐六五)というのは、まあ忘れられた作家だろう。一九五五年に、自伝的な小説「姉妹」(きょうだい)を発表して毎日出版文化賞をとり、映画化された。 私が中学生の時、NHKの「少年ドラマ」になったのだが、いったいこの原作はどこにあ…

書評・寺田詩麻『明治・大正東京の歌舞伎興行』 週刊読書人2019年8月

(日本演劇学会河竹賞奨励賞受賞) 歌舞伎に限らず、演劇の研究は、演目や俳優を中心にするのが普通である。だが最近は「興行」に光が当てられつつあり、神山彰編『興行とパトロン』(森話社)や中川右介『松竹と東宝』(光文社新書)などが刊行されている。…