2015-04-15から1日間の記事一覧

島尾敏雄、桐野夏生、畔柳二美

桐野夏生の『IN』(2008)は、桐野自身の編集者とのダブル不倫を振り返りつつ描き、その間に、タマキという名になっている女性作家が、島尾敏雄の『死の棘』の愛人の正体を探っていく疑似私小説である。『死の棘』は、もとより長編私小説の傑作である。作中…