2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『グーテンベルグからグーグルへ』という翻訳書の筆頭訳者・明星聖子の訳者あとがきでの暴走ぶりが生半可じゃない。「私、この『編集文献学』って学問、好きじゃないかもしれない、いや、嫌い。嫌なんです。文学の後衛でぬくぬくしていたいんです」といった…

立原正秋と円地文子

1972年、『諸君!』に「男性的人生論」を連載していた立原正秋が、芥川賞の運営を批判して、編集部から一部削除を求められ、それには従ったが連載の場を『潮』に移して改めて批判を行ったことは前に書いた。立原は、もともと自分は純文学作家だと思っていて…

十年くらい前だったか『諸君!』で、歴史を知るための三冊アンケートというのがあって、私は菅野スガを描いた瀬戸内晴美の『遠い声』をその中に入れたのだが、以後『諸君!』からは声がかからなくなった。その時平川先生から「君は歴史に弱いようだね」とい…

勘違いをしていたことに気づいた。私が『批評空間』に投稿して載った時、千葉一幹、東浩紀が一緒だったと思っていて書いたこともあったが、最初に載った時は第四号で、千葉はいたがそれだけ。東、千葉と一緒だったのは一年後の第八号である。 「凍雲篩雪」 …

1977年秋、私が中学三年の時に、NHKで一時間番組が終わったあと、CMみたいな感じで、これと、十朱幸代の「セイタカアワダチソウ」が流れるということがあって、あれは何だったんだろう。この久保田育子というのはこれがデビュー曲なのか、そのまま消え…

ドイツ文学者・吹田順助の「馬琴と路女」という小説があって、1957年3月に同人誌『灰』に載ったようだがこちらは未見で、1961年7月『心』に載ったのを見たら、「つづく」とあり、しかし「(一)」とは書いてない。『昭和文学年表』では「評論・随筆」欄にあ…

私は小学校三年生の時に茨城県から、埼玉県越谷市谷中町に越してきたのだが、小さな建売住宅だった。それから一年半ほどして、近所に、他の家より明らかに一回り大きい家が建った。それが画家の川上先生の家で、当時40歳くらいだったろうか。専売公社に勤め…

日本人はバカになったか

過去40年くらいの間に日本人はバカになったかということを考えるため、クイズ番組について考えてみた。昔は「タイムショック」とか「アップダウンクイズ」とか、少しあとには「ヒントでピント」とかのクイズ番組があったが、だんだん視聴者参加型から芸能人…

歴史研究のアポリア

たとえば、オウム真理教について、事実に即した著作を出した人がいて、まとめ方さえうまければそこそこ評価はされるだろうが、新しい事実がなかったら、学問的な評価はされないだろう。 これがさらにさかのぼって、明治から昭和中期あたりまでの歴史事象で、…

新刊です

馬琴綺伝作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/03/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 馬琴の伝記小説ですが、従来馬琴は老いてからのことばかり書かれてきたので、若いころから書いてみました。訂正: 128p5行目「再…

大江健三郎二題

http://franzjoseph.blog134.fc2.com/blog-entry-48.html 大江健三郎「飼育」の「黒んぼ」がいつの間にか「黒人」に変わっていたという指摘。 『ちくま』に保阪正康が連載していて、別に読んだことはなかったのだが、6月号で「戦友会」へ潜入(?)した時の…

1924年(大正13)年に畑中寥波らの新劇協会が、岸田国士「チロルの秋」、久米正雄「帰去来」、正宗白鳥「人生の幸福」を上演したのが、秋庭太郎『日本新劇史』(1956)以来、10月23日から三日間、帝国ホテル演芸場で、となっており、大笹吉雄『現代日本演劇…

粕谷一希が死んだのだが、思想的に右翼だったということとは別に、人格に問題のある人だったとしか私には思えない。 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20121122 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20130212 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20130918 …